”人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ”
このチャップリンの名言を知ったのは
ドッキュメンタリー監督の信友直子さんが書かれた
” ぼけますから、よろしくお願いします。”
の本を読んだときです。
有名な名言なので、知っている方も多いと思いますが、
遅ればせながら私はこの本で知りました。
ちょうど母の通い介護をしている時期で、
僭越ながら信友監督の状況と重なって、本を一気に読みました。
この本に書かれたチャップリンの名言、
” ロングショットで見れば喜劇 ”の部分、
本当にそうだな、と思って少し救われました。
大変で暗い介護のイメージですが、
人生を短いストーリーだと置き換えて早送りすると、
介護の部分は喜劇に見えるかもしれない、
と考え、介護は大変でつらいという考え方を少し改めました。
そうすると、父や母に対する態度も少し柔らかくなり、
自分自身も楽になったのを覚えています。
介護だけでなく、次女の不登校のことや
仕事が嫌いな夫のこと、お金がないこと、
私の身に起こる、大変なことすべての事が
” ロングショットで見れば喜劇 ”であると思ってみる。
簡単にいえば考え方を変えてみる、ということですよね。
私の父はこの ” ぼけますから、よろしくお願いします。”
に登場する信友監督のお父様のような
優しい父ではありませんが、
能天気で、物事をあまり深く考えない性格。
良く言えば、楽観的。
悪く言えば、自分本位の自分勝手。
この、”自分本位”の性格だからこそ、
父は11年間も要介護5の母を見ることが出来たのでは
と私は思っています。
普通の親であれば
あまり子供たちに迷惑をかけたくない、って
思いますよね?
うちの父は違います。
親に大変な事が起きたのであれば、
子供たちに頼ろう、という考えの人です。
特に私にはすぐSOSを求めてきます😏
要は一人で抱え込まない、のです。
私、妹弟も自分たちの生活も大変なこともあり、
父からのSOSをスルーしたい状況でしたが、
親ですものね。
無視は出来ません。
父も要介護1になり、出来ない事が増えてきました。
相変わらず、自分本位で
私へのお願い(あれが食べたい、どこどこに連れて行って欲しいなど)
を遠慮なく言ってくるところは変わりませんが、
これがあるからまだ認知症にはなっていない、と
良い方にとらえて、
そう長くはないであろう父の願いを
きける範囲できいてあげれたら、と思っています。
今朝の散歩で見かけたコンクリートから出てきた可憐な花